NatumeHasegawaの日記

これは日記であり、遺書であり、言葉で言い難い思いを込めたものである。

人生、雨模様。#2

恋とは何だろう。

中学一年の頃。保育園の時から好きだった男の子に彼女ができた。約8年の片思い。長すぎてびっくりするが私はとても奥手で毎年バレンタインに手作りのお菓子をプレゼントするくらいしかできなかった。

 

私の彼への片思いはなぜか学年のほとんど全員が知っていた。その当時は何も思っていなかったが今思えば公開処刑だ。

 

彼は低身長だがスポーツもでき、毎年たくさんのバレンタインをもらうイケメンで友達思いのやんちゃな人だった。

そんな彼に彼女ができたのだ。今まで彼女を作ってこなかった彼に。

その当時の私は少女漫画をたくさん読んでいたのでいつの日にか私の方に来てくれるだろうと思い、「へー、そうなんだ」ぐらいにしか思ってなかった。

彼の彼女は高身長、スポーツ万能、コミュ力が高く、容姿も美しくお似合いのカップルだったと思う。

 

彼に彼女ができてある程度経った日のこと。彼の彼女に一緒に帰ろうと言われた。

彼女はスポーツでうちの中学校に来ていて登下校は車のはずなのになと思いつつ、一人だったからいいよと答えた。

 

彼女がリードする形で話をしながら一緒に帰っていたが、半分くらいで彼女が唐突に「私に彼氏いるって知ってる?」と尋ねてきた。

知ってるよと私は表情を変えずに答える。

「よかった!なつめちゃんが無駄に傷つかなくて。私の彼氏だからあんまり近寄らないでね。」

と言われ、先ほどのように彼女がリードする形でお話をしながら帰ったが私は彼女の顔は見ることができなかった。

 

悔しいとかそんな感情は芽生えなかった。

ただ単純に傷ついたのだ。空虚だ。私がなぜ彼に恋心を抱くだけで傷つき、私が彼に彼女がいることを知ってるだけで傷つかないと思っているんだ。

訳が分からなくなった。私は本当に彼のことが好きなんだろうかとも思った。

彼に彼女ができたときはこんなにも傷つかなかったのに、彼の彼女から近づくなと言われ私は彼に選ばれることがないんだなと一気に現実味を帯びてしまった。

 

私はこの長い長い片思いに蓋をすることにした。バレンタインは毎年、中学卒業するまで送ることにした。幼馴染補正だ。

今でも、彼女の意図を理解することはできない。

ただ、あの時の淡い片思いを今ではもうすることはできない。昔みたいに傷つきたくないからだ。

 

求められたら求め返す。それが一番傷つかない方法と知ってしまったから。